現役の声
副将として過ごした1年間
第71代副将 髙橋 里楓 (25期)
今からちょうど1年前、昨年の九州学生弓道選手権大会にて私は副将に任命させて頂きました。当時の私は「これから副将として皆をまとめ、且つ的中を出し、部を引っ張っていくぞ」と大層意気込んでいました。実際、昨年は九州インカレで優勝したり、他の大会でも個人としての結果は残せなかったものの、 決勝には必ず出場したりと、少しずつ段階を踏んで力をつけていきました。順調にいけば、このまま練習を続けていれば、きっと副将として少しも恥じない存在になれるはずだと信じていました。
しかし結果はそう上手くいきませんでした。射型は崩れ、的中も出ず、試合に出るなんてもってのほかでした。 後輩や同期に次々と抜かされていきました。全て私の技術不足が原因ではありますが、とても辛く、悔しい日々が続いていました。副将としてたくさん中てなきゃ、副将は的中を出すのが一番の仕事なのに、と、自分を追い込んでいってしまいました。そして、周りも見えなくなっていきました。また、それと同時に弓を引くのもとても苦しくなっていきました。弓道という武道そのものを何度も嫌いになりそうでした。
そのような日々を過ごす中、ある日、とある先輩から「的中が出なくて辛い時こそ、周りを今までよりももっとよく見るようにしないといけないよ。人の事を考える余裕が無かったら、道場にゴミとか落ちてないかな、とか、そんな事から始めていいからね」というアドバイスを貰いました。それから、私は言われた通りまずは道場をより綺麗に保とうと、ゴミがないか道場を隅々まで見るようになりました。そうすると、自然に部員のことも目に入る様になり、部員ときちんとコミュニケーションを取れるようになっていきました。そうしている内に心が軽くなり、そのお陰で、少しだけ弓を引くのが楽になりました。
的中もじわじわと元に戻していくことができました。その結果、何とか全九のメンバーとして選ばれました。副将になってから初めて試合のメンバーとなり、正直プレッシャーに押し潰されそうではありますが、 選んでいただいた身として、正々堂々と、そして自信を持って試合に臨んでいきたいです。
私はこの1年間、副将として歴代の先輩方の様な偉大な功績を残すことはできませんでした。しかしその分、自分が苦しんだ経験から、後輩たちに弓道を純粋に楽しんで貰いたいという気持ちはとても強く持っています。もし今後私のように自分のことを責めて弓道をするのが辛そうな子がいたら、私にアドバイスをくれた先輩のように、そっと手助けをしていきたいです。
西南弓道部にて
第71代主務 平山 航也 (25期)
私が弓道を始めたのは大学に入ってからで、今まで弓道とは何の関わりを持ったことがありませんでした。私は小学生から中学生までの6年間、地元クラブで剣道を習っていました。高校では何もしていなかったので、大学に入ったら何か武道と関わりを持ちたいと考えておりました。そのように考えていたところ、入学式後の部活動勧誘の際に最初に勧誘された弓道部へ入部することに決めました。
自分は、運動神経が決していいとは言えず、弓道においてもなかなか自分が思い描いている射ができず、的中も全然上がらないという状況がずっと続いていましたが、先輩方や同期、そして後輩からもアドバイスをもらうなど、弓道部の仲間のおかげでモチベーションを落とすことなく頑張ることができました。そして弓道部のみんなは面白く、毎日退屈することなく刺激に満ちた日常を過ごすことができました。この弓道部で3年間をやり遂げることができ、大学生活で最高の時間を過ごすことができたと感じております。
また、私は今まで様々なグループに所属してきましたが、責任ある役職に就くことがなく、幹部になったことさえもありませんでした。
そんな中で初めて主務を任されて、始めは戸惑いが大きかったですが、先代の主務の先輩に多くのアドバイスを頂き、なんとか一年間、主務として、幹部として仕事を果たすことができ、一つの達成感を得ることができました。そして、主務としてこの一年間で培った経験はこれからの自分の人生において糧になると感じております。
私は、西南弓道部のいい意味で先輩、後輩関係なくアドバイスや意見を言い合える空間がとても好ましくあり、弓道部はサークルではないため上下関係をはっきりとさせなければならないところはありますが、メリハリをしっかりとつけながらも、この西南弓道部で互いに切磋琢磨して、日々の鍛錬に励んでもらいたいです。
私たちの代の男子は特に不甲斐ない成績ばかりで、OBの先輩方にいい結果報告をすることが出来なかったことが心残りでもあるので、今後は自分たちも可能な限り協力していくので、後輩には是非とも一つでも結果を残すことができるチームになってもらいたいです。